祖母が亡くなって数年が経ち、祖母の身の回りのものの整理も落ち着いてきました。
母から「おばあちゃんの物を整理するから一度見にきてくれる?」という連絡があるときは、だいたいが服飾類のとき。
もともとわたしの服好きは大好きだった祖父からの影響が大きく、祖父が亡くなった時に祖父が大切にしていた服や小物たちの多くを処分したと母から聞かされた時は、ものすごく憤慨したものです。それもあってか母も服飾類はわたしに聞かなきゃとおもっているのでしょう。
祖母はもともと自分ではあまり買い物に出かけるタイプではなく、「持っている物が気に入っているから新しい物はいらないよ」と言っていたそうです。見かねた祖父がいつも祖母に似合うものを選んで買ってきたと聞いています。今でも幼少期に祖父と兄と3人で、おもちゃ屋さんに行くついでに洋服屋にも立ち寄っていたのを覚えています。ネイビーやチェックが好きだったわたしに、母は「もう少し可愛らしい服にしたら?」と言いましたが、祖父は逆にそんなわたしの好みをかってくれていたのか「この子の顔はピンクよりもこっちの方が似合うぞ」とサックス色の丸襟ブラウスやブラックウォッチのプリーツスカートなどを選んでくれ、それがわたしの一張羅でした。
以前先輩に自分の服のルーツはどこ?という質問に対して、「・・・」考えたことなかったため、すぐには答えられなかったのです。
先輩はそんな私の?を、一つ一つ紐解いていくかのように話を続けてくれました。「いつから服が好きなの?」「どんな服を着てきたの?」「誰か影響を受けた人いる?」などなど。そうしているうちに祖父が私の服好きの原点ということがわかりました。トラッドスタイルが好きなのは、仕立てたシャツにジャストサイズのジャケットを着ていた祖父がとてもかっこよく見えていたからかもしれません。
高校生あたりから古着屋をめぐるようになり、大学生ではストリートブランド全盛期。ギャル服やお姉さん系と言われる服にも手を出しましたし、GUESSパンも履いていました。GUESSパンに古着の紺ブレを合わせてナイキのスニーカーを履いたり、クレージュのビニールのような素材のショート丈ジャケットに千鳥柄のミニスカートにロングブーツなんかも。今思うとはちゃめちゃな格好もしていましたが(それがあるから今があるとも思っています)、やっぱりジャケットやシャツにはいつの時代も惹かれ、根本トラッドが好きなのはずっと変わりません。
話しが脱線しちゃいました。
先日祖母の物を見にいくと案の定スカーフやリングなどがあり、そこには私が生まれる前の祖父の写真もありました。
おじいちゃんに会いたいな。
映画好きで車好きで旅行好きだったおじいちゃんに「おじいちゃんの服のルーツはどこ?」と聞いてみたいな。
祖母の残してくれた物たちを整理していると、「おばあちゃんこれよく身につけていたね」「これおじいちゃんが気に入って買ってきたけど、おばあちゃんは使うのがなんだか勿体無いとほぼ登場しなかったスカーフ!」服に宿る思い出に家族で浸る、そんな一日を過ごしました。
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