ホテルの枕の多さの意味を知る。

欲望。ひとり旅でホテルの部屋にこもり、ただただ本を読み漁りたい。むさぼり読みたい。

おすすめのホテルを教えてもらい、その欲望を満たしに行ってまいりました。名古屋駅から快速で20分。隣のG県G市の老舗のホテル、私の部屋は10階のダブルルーム。15:00ぴったりにチェックインして、なんだか部屋に行くのがもったいなくなってラウンジでケーキセットを注文。お楽しみはとっておきたいタイプです。スタッフの女性がとても親切で何かと声をかけてくれます。「アプリは入れたか?」「トイレはこの通路通ると近いです」「コーヒーおかわりどうですか?」至れり尽くせり。外の大きな岩を眺めている姿が老婆に見えたのかもしれない。

この至れり尽くせりの感じ、どこかで経験したことがあるなと思ったら、東京駅にあるステーションホテルのレストランで同じようなことがありました。かわるがわるスタッフの方がやってきて声をかけてくれるのです。お水を持ってきてくれた女性にどこから来たのかと尋ねられたので名古屋と答えると「そんな遠くから?!」と驚かれ、注文した熱々のシーフードドリアをハフハフ食べているタイミングで男性がやってきて「お口に合いますでしょうか?」と尋ねられ、ハフハフしながら「はひ、おいひいでふ」と答えました。食後のカフェオレを持ってきてくれたのはまた別の女性。すべて違うスタッフの方でした。窓から夜の八重洲口を眺めている姿が老婆に見えたのかもしれない。

ラウンジのスタッフの方に、ルームサービスはないけれど、事前に予約しておくと食事がテイクアウトできるサービスがあると聞き、アプリにて予約。これでテイクアウトの受け取り、朝食のビュッフェ以外は一歩も出なくて済む手筈は整いました。

部屋に着き、リュックから本を6冊取り出し、ベッドサイドに配置。お湯を沸かし持参したDhalのコーヒーバッグでコーヒーを淹れて、パジャマに着替え、ベッドに寝転び読書開始。謎にたくさんある枕を積んで大きな背もたれにして角度を調整したら、はい、最高。これからは本は買いだめしておいてホテルで読もう。今までこのたくさんの枕を使いこなせていなかったけど、彼らは読書のためにあるのだと思う。日の出ている間に、貸してもらっているマーケティングと自己啓発の本を5冊読んで、テイクアウトのご飯を食べて、お風呂に入り、小説が読みたくなったのでG県の高校が舞台の「氷菓」を読みながら寝落ち。

朝起きて身支度して、レストランに行くと昨日のラウンジのスタッフの方が配膳をしていて「よく眠れましたか?」「これ揚げたての飛騨牛コロッケです。ここ置きますね」と取り皿に置いてくれました。レストランを出るときも見送りしてくれて至れり尽くせり。隣の人が飲んでいる牛乳はどこにあるのだろうと眺めている姿が老婆に見えたのかもしれない。こんなに親切にしてもらえるなら、もう老婆でいいです。

チェックアウトの11:00までベッドに寝転んで、残りの頁を読む。活字に満たされて快感。あぁ良い。めちゃくちゃ良い。活字中毒。また絶対行く。次はアロマと入浴剤を用意していく。旅上手になりたい。行きたいと思ったときに行きたいところにパッと行ける人になりたいです。

帰ってきてからは「イスタンブールで青に溺れる」を読んでいます。

staff A
@asako_dhal