4月が近づいてくると、そわそわとどこか落ち着かない気持ちになる。まだ見ぬものへの期待、それと同時に少しの不安。出会いや別れ、新しい生活が始まる季節に浮き足立つのは、年齢を重ねても変わらないようだ。
ご多分に洩れず、わたし自身も新生活が始まった。住む街が変わり、通勤は電車とバスから地下鉄へ。通勤時間は少し長くなったけれど、考え事をしながらだとあっという間。一度うっかり寝過ごしてしまい、一駅先で目が覚めた時には冷や汗をかいた。(戻りの電車がすぐに来たので、事なきを得た)
生まれ育った街を離れること、新しい場所での生活が始まることに対する不安はまったく無かった。環境の変化は決して得意ではなく、学生時代はクラス替えの度にドキドキしていたというのに不思議だ。通勤中、車窓の外を流れゆく景色はまだ少し見慣れないけれど、移動距離が少なくて済む乗車位置を覚えたことがここ数日の小さな喜び。(乗車位置をマスターすることはその街に慣れたというひとつの指標だと思っている)
好きな器でごはんを食べ、気分に合わせて選んだ音楽を聴き、たわいもない会話をする。日常を心地よく過ごせることが、何よりも豊かなことだと感じる。そのためには自らの意思でその日何を着てどこへ行くか、何を思いどう過ごすのかを選択していくことが必要なのだと強く思う。日々の積み重ねが自分の輪郭をつくっていき、まわりにも影響を与えていく。それが気持ちのいいものであるように、今日も小さな選択を積み重ねていくのだ。
staff K
@kiko_dhalhomes